こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿です。

日が落ちるとほのかに秋の気配を
感じられるようになりましたね。
しかし、9月とはいえ
まだまだ残暑が厳しい日が続いていますので、
体調管理はしっかりしたいところです。


さて、秋といえば芸術、スポーツなど
楽しみなものがいろいろあるかと思いますが、
この時期の北海道は秋ならではの
旬の味覚で溢れています。
紹介したらキリがないほどですが、
その中でも北海道石狩市が発祥である
「石狩鍋」を皆さんはご存じでしょうか?

「石狩鍋」はジンギスカンや
ちゃんちゃん焼きと並ぶ
北海道の郷土料理です。
鮭の身や骨などのアラをメインに、
野菜や豆腐、こんにゃくなどを
味噌で仕立てた汁で煮込み、
最後に山椒をふりかけた鍋料理です。
今では北海道以外でも
学校の給食に出てくるほど
広く親しまれています。

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具材はタマネギやダイコン、キャベツ、
シイタケ、長ネギのほか、
豆腐、こんにゃくが基本ですが、
作り方もアレンジも簡単なため
牛乳やバターを加えたり、鮭のほかにも
エビやイクラを入れたりと
家庭によって少しずつ味が異なります。
元々は漁師飯だった料理ですが、
鮭の頭から尻尾まで丸ごと使う作り方は、
食材を無駄なく大切にする気持ちが
あらわれていますよね。

昔から私たちの生活を支えている鮭ですが、
アイヌ語で「カムイチェプ」といいます。
カムイは「神」チェプは「魚」という意味で、
鮭はカムイの国(神の国)からやって来て、
人間の国で食べ物になり、
また神の国へ帰っていくと考えられ、
特別な魚でもあったのです。

また、明治時代に
北海道の開拓を担っていた人々は、
川で生まれたあと海へと向かい、
再び生まれた川へ戻って来る鮭を
故郷の家族や友人へ送ることで、
「私たちも故郷を忘れない」という思いを
託していたんだとか。

形は変わっても昔も今も大切にされている
現在は漁業法と水産資源保護法で
手厚く保護されています。
北海道では場所によって
川を遡上する鮭の姿を見ることができますが、
この法律や制度によって
個人で鮭を釣ることは禁止されています。

昔は多くの釣り人が
海や川で鮭釣りをしていましたが、
ルールやマナーを守れない人が多く、
漁業関係者からもクレームが来るような
事態となり規制が強化されたのです。
そのため、
現在は採捕(さいほ)行為自体が禁止され、
例え釣ったあとに
リリースするつもりだったとしても
釣った時点で違法になってしまいます。

しかし、札幌市から東北東に
約320キロメートルに位置する
標茶町(しべちゃちょう)には川で鮭釣りが
許可されている川があります。
忠類川(ちゅうるいがわ)と呼ばれる
透明度の高いその川では
「釣獲(ちょうかく)調査」の一環として、
鮭釣りが許されており、
毎年多くの人が参加するそうです。

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釣獲調査は8月初旬から11月初旬ごろに行われます。

もちろん、資源保護が第一ですので、
参加するには事前の申し込みや、
釣るときにはリリースが基本という
内容を含めた細かなルールがあります。
このシステムは忠類川が国内ではじめて
試みたもので、現在では各地で
この方法が採用されています。
環境や資源、人々の生活を考慮した結果が
今の形になったんですね。


私たち企業も、常に環境や時代に合った
スタイルが求められています。
その中で、私たちは
自分たちの利益を求めるだけのスタイルでは、
決してそれ以上のものを得ることはできないと
考えています。
私たち北の快適工房は、
私たちに関わるものすべてに
寄り添う考え方を忘れずに、
これからもお客様に
商品をお届けしていきたいと思います。

したっけ( 北海道では「それじゃあ」のことを
「したっけ」といいます。)、
来月もお手紙を書かせていただきますね。

北の快適工房代表 木下勝寿