2018年2月 by 北の快適工房 こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿です。北海道の2月はまさに冬の観光シーズン真っ盛り。札幌市では世界的にも有名なさっぽろ雪まつりが開催されるなど、寒さを感じさせないほどの盛り上がりを見せています。雪まつりに限らず雪や氷にまつわるイベントが盛んな時期ですが、一方で暮らしという観点で見てみると、この時期ならではの“助け合い”が必要になる場面もあります。そんな助け合いについて、昨年の4月から北海道へ移住してきた工房スタッフT 君から聞いたエピソードをお話ししたいと思います。T 君は生まれも育ちも本州。引っ越して来てから初めての北海道の冬に、ちょっぴりの不安と大きなワクワク感がありました。北海道では、雪がたくさん降ると、除雪車によって雪が道路脇に高く積まれることがあります。その高さは大人の身長以上になることも。私たちにとっては、当たり前のそんな光景も、T 君にとっては新鮮に映ります。通路が見えなくなるほど雪が積もります。気温が少し上がった日は道路の雪が溶けてシャーベット状態になったり、逆にその状態から冷え込むと、今度は天然のスケートリンクのようになることも。自動車も歩行者も、そんな北海道の道にしっかり対応しながらなんなく進んで行くので、T 君にとってはまさに「達人」のように見えたそうです。そんなある日、買い物に出かけたところ、車道から「キュルキュルキュル!」という音が……。音のするほうを見てみると、前日の冷え込みでデコボコに凍った路面に、1台の自動車がはまって動けなくなっていました。どうしたものかと思ったその矢先、T 君の近くにいた男性がサッと自動車へ近づき、おもむろに後ろから自動車を押し始めました。さらに状況に気づいたもう1人の別の男性も何も言わずに、手伝い始めたのです。はまってしまうと、横断歩道上で立ち往生してしまうことも……自動車を押す男性と運転手さんが「せーの!」と声を掛け合いながら脱出を試みること数十秒、氷の溝からタイヤが抜けだし車は無事に脱出できました。突然のトラブルに運転手さんもさぞ大喜びでお礼をするのだろうな、と思いきや、笑顔でサッと押してくれた人たちに手をあげると、そのまま進んで行きました。「あれ?」と思い男性たちに目を向けると、男性たちも運転手さんに応えてサッと笑顔で手をあげたのです。そして、お互いも会釈すると何事もなかったかのように立ち去って行きました。まるで示し合わせたかのような、あっという間のやり取りにT君は「カッコいい~~!」と感動。初めての出来事に見ていることしかできなかったT君ですが、同時に「僕も次は必ず手伝おう!」と心に決めたんだそうです。北海道で自動車を持つ人ならば1度は出くわすであろう冬道でのトラブル。しかし、北海道で暮らす人にとっては当然になっている“助け合い”も、T 君にとってはとても素敵な出来事だったようです。相手の立場が分かるからこそ生まれる、思いやりの気持ち。私たち北の快適工房も、お客様のお悩みに寄り添った商品、サービスを洗練させ続けていきたいと思います。したっけ(北海道では「それじゃあ」のことを「したっけ」といいます。)、来月もお手紙を書かせていただきますね。北の快適工房代表 木下勝寿