2017年12月 by 北の快適工房 こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿です。12月になり、北海道の冬が本領を発揮しています。北国で暮らす人は寒さに強い、というイメージを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、どちらかというと「寒くても暖かく過ごす方法や知識を持っている」というほうが正しいのかもしれません。なので、外が寒くなっても、私を始め工房スタッフ達は変わらずイキイキと過ごしています。ところで、寒くなるとお鍋やおでんなど温かいものが食べたくなりますよね。でも、北海道ではこの時期になると、温かいものとはかけ離れた「あるもの」の消費量が日本一になります。それは「アイスクリーム」!実は冬季に限ってみてみると、北海道はアイスの消費量が日本一になるんです。なぜ、寒い冬に冷たいアイスクリームの消費量が増えるのか……。その理由は、北海道の家が「冬でもとにかく暖かい」から。なんと、ある調査によると、1月の北海道の平均室温は20.7℃で全国トップの数値なのだとか。下手をすると、春や秋よりも暖かいのです。この暖かさの秘密は、北海道の住宅の随所に施された“北国の知恵”です。暖房設備が充実しているのはもちろんのこと、暖房で温めた空気が逃げないよう窓が二重になっていたり、壁には寒さを通しにくい材質を使っていたりと、断熱性、気密性が高いのが特徴です。窓が二重で暖かさが逃げません。玄関フードのあるスタッフの自宅です。そして、工夫は室内だけではありません。特に一戸建ての住宅には、外気が入る玄関に“玄関フード”と呼ばれる雪や風避け用の空間が設置されている家が多くあります。その他にも、部屋に差し込む光や熱が遮られないよう、雪の少ない地域では一般的な雨戸や雨どいは、基本的にないのが普通なのです。ちなみに北海道の場合、「こたつ」はあまりメジャーではありません。冬は暖房をつけていないと部屋全体が冷えて寒いため、ピンポイントで暖めるこたつよりも、暖房で全体的に暖めるほうが効率が良いのです。このように雪や寒さと共に暮らすための工夫が室内外に詰まっている北海道の家。外は真っ白な雪景色の中、暖かい家の中で半袖・短パンになりアイスクリームを食べる……という“北海道あるある”は、暖かさへの工夫がもたらしたものなのでしょう。私ももちろん、例にもれず暖かい部屋で食べるアイスクリームが好きです。そんな北海道ならではの冬の過ごし方に関連して、ある工房スタッフの失敗談を聞きました。つい先日、そのスタッフは本州に住む友人の家に旅行を兼ねて遊びに行ったのですが、友人と夕食を終え、友人の家まで向かう途中、“いつものように”アイスが食べたくなったそうです。「え?こんなに寒いのにアイス?」と友人に不思議そうな顔をされたものの、お構いなし。家に着いて早速食べ始めましたが……思った以上に友人宅が寒く、そのあとに風邪をひいてしまったそうです(笑)。そこで初めて、暖かい部屋だからこそ、アイスクリームが美味しいんだなぁと思ったのだとか。風習や文化、暮らしは密接に関わっているんだと改めて感じたエピソードでした。きっと皆様のお住まいの土地にも、その土地ならではの風習や文化があるのではないでしょうか。風習や文化はいずれ伝統となり、引き継がれていくのでしょうね。私たち北の快適工房の商品も、快適な暮らしを支える必需品として長くご愛用いただける商品づくりをしていきたいと思います。したっけ(北海道では「それじゃあ」のことを「したっけ」といいます。)、来月もお手紙を書かせていただきますね。北の快適工房代表 木下勝寿