2017年11月 by 北の快適工房 こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿です。冬を間近に控えた11月の北海道は、最低気温が0℃近くなり、いわゆる「しばれる(寒い)」毎日です。女性の工房スタッフ同士が、新調したコートの話題で盛り上がっているのを見て、今年ももうすぐ冬がくるんだなぁと感じています。冷え込みが厳しい、というと「大変そうだな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、冬が近づくにつれて空気が澄んでいくので、景色がいつもより美しく見え、北海道の大自然や星空はより一層、素敵さが増し心が洗われるような気持ちになります。この時期の北海道はドライブに出かけるのが最高ですよ。さて、ドライブに関する北の快適工房でのエピソードといえば、広告運用担当のC君。彼は半年ほど前に、自慢のオープンカーを事故で廃車にしてしまったのです。その事故の原因とは、なんと…「エゾシカとの衝突!」気分よく運転していた所、車道に突然エゾシカが飛び出してきて、ガシャン!幸いなことにC君は無傷でしたが、残念ながら車は廃車になってしまったのです。そしてエゾシカはというと、そのまま走り去って行ったそうです。たまたま、その日は4月1日(エイプリルフールの日)だったそうで「ウソであって欲しい」と思ったとのこと…。よく見れば道端には写真にあるような看板があり、エゾシカがよく出現する場所だったようなのです。鹿の飛びだし注意を促す看板。自然豊かな北海道らしい話といえばそうなのですが、実際に年間で約2,000件の自動車とエゾシカの衝突事故が起きており、この時期はエゾシカの狩猟が解禁されますが、11月ごろは事故発生件数が増加する傾向があります。緩やかなカーブを超えた先に突然出現したり、1頭やり過ごしたと思えば後を追うように数頭出現したり…と、ドライバーは運転に注意が必要です。北海道とエゾシカには長い歴史があります。北海道の先住民であるアイヌの方々の言葉で、エゾシカは「ユク」と呼ばれており、その意味は「獲物」です。開拓以後の書物にも、エゾシカの皮や角をはじめ全身を大切な資源として余すところなく活用していた、という記録があり、北海道で生きる人々を支えてくれた存在であることが伺えます。開拓以後、エゾシカは乱獲と大雪の影響で一時、絶滅寸前にまで数が減少しましたが、政府による狩猟の禁止などによって個体数が爆発的に増加しました。この爆発的な個体数の増加が、車道にエゾシカが飛び出してくる、という「北海道あるある」を生み出したのです。見慣れていない人にとっては「かわいい」だけかもしれませんが、北海道では衝突事故や農作物を荒らす被害を起こしたりと、人と自然との共存の難しさの象徴でもあります。 エゾシカを含め、北海道の自然を守り続けるために、まずは北海道で暮らす人々が理解を深め、できることから行動していかねばなりませんね。したっけ(北海道では「それじゃあ」のことを「したっけ」といいます。)、来月もお手紙を書かせていただきますね。北の快適工房代表 木下勝寿