こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿(きのしたかつひさ)です。

4月になりました。
出会いや門出の季節ですね。
新生活が始まったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
北の快適工房でも今月から新社会人となるスタッフを迎えました。
毎年のことながら、新入スタッフ達が見せる新生活への期待に満ちた表情は、
私を始め先輩スタッフ達をワクワクとした気持ちにさせてくれます。


さて、暖かな春に向かう北海道では、
厳しい冬の間眠り続けた“あるもの”がこの時期に目覚めます。
それは私が毎年楽しみにしている「じゃがいも」です。
じゃがいもと言っても、
いわゆるスーパーで見かけるじゃがいもとは少し違います。
今回はそんな「北海道のちょっと特別なじゃがいも」について
紹介させてください。


そもそも、北海道は日本一のじゃがいも生産地。
なんと、全国に出回るうちの約80%近くが北海道で生産されています。
じゃがいも=北海道というイメージをお持ちの方も
多いのではないでしょうか。

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(↑ホクホクの「じゃがバター」と可愛らしい花が咲いたじゃがいも畑の様子です。)

じゃがいもは寒い地域でもしっかりと育つ
北海道の気候に向いた野菜ですが、
現在は品種改良や栽培設備の進化で
年中様々な種類が市場に出回っています。
そんな中、私が楽しみにしているのは、
通称「越冬じゃがいも」と呼ばれるものです。


北海道は寒冷地域のため、その他の地域とは栽培時期が異なり、
多くは4~5月に種芋を植え、7月~10月ごろに収穫します。
収穫してすぐに出荷されるものが「新じゃが」と呼ばれるものですが、
越冬じゃがいもはその名の通り収穫した後、
一定の温度と湿度の環境で冬の期間(約半年間~1年のものも!)
低温貯蔵をして「熟成」したもの。
熟成することで、じゃがいもに含まれる酵素がでんぷんを糖に変え、
旨みと甘みが増すのです。

中でも、私のお気に入りは
「インカのめざめ」という品種の越冬じゃがいもです。
このインカのめざめは、
地元の人間でもほとんど食べたことがない大変希少な種類。
一般的なじゃがいもよりサイズは一回り小さく、
黄色で、甘みが強いのが特徴の幻のじゃがいもです。


このインカのめざめと出会ったのは、
私たちが以前に行っていた北海道の特産品を販売する事業でのこと。
インカのめざめが希少な理由は、
病気に弱く収穫も手作業と、大変手間がかかるため
生産農家が少ないのです。
ですが、とあるつながりで
幸運にもこのインカのめざめを生産している農家の方と
知り合うことができました。


幻のじゃがいも…これは食べないわけにはいかない!と、
じゃがいもが好物だったこともあり、
お願いをしてこのインカのめざめを譲っていただきました。

さっそく社内でスタッフ達と調理をして、
一口食べてみたところ…
私たちはその美味しさに思わず目を見合わせました
そもそも一般的なじゃがいもよりも2~4度ほど糖度が高い種類ですが、
越冬することでさらにその色味、甘み、旨みが増し、
まるで栗やカボチャのような濃厚な味わいなのです。
こんなじゃがいもは人生で一度も食べたことがありませんでした。

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(↑実際に試食をした時の写真です。サツマイモのような黄色さに一同ビックリ!)


「これは自信を持ってお客様におすすめできる!」と、
私を始めスタッフ全員、満場一致で取り扱うことを決めました。
そのあまりに衝撃的な美味しさは、
今でも私の思い出の1つとなっています。
チャンスがあればぜひ味わってみてくださいね。


私が幸運にも出会うことができたインカのめざめ。
私たちの商品も、皆様にとって素敵な出会いと感じていただけるように、
気持ちも新たに精進していきたいと思います。


したっけ(北海道では「それじゃあ」のことを「したっけ」といいます。)、
来月もお手紙を書かせていただきますね。


北の快適工房代表 木下勝寿