2017年1月 by 北の快適工房 こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿(きのしたかつひさ)です。2017年になりましたね!雪の降りしきる真冬の北海道。朝、外に出た時、雪かきをしている人の姿が見えると、本格的な冬が来たんだなぁと実感します。爽やかな夏の北海道も捨てがたいですが、街並みにも、自然にも、北海道にはやはり雪が良く似合いますね。さて、この1月は、北海道に“ダイナミックな風物詩”が現れます。北海道の北東部にあるオホーツク海を埋め尽くす「白い宝石」、流氷が到来するシーズンです。年度によって見られる時期(接岸時期)はやや前後しますが、平均して1月下旬から3月末ごろまで、オホーツク海は流氷で埋め尽くされます。北海道で流氷が見られるポイントは大きく3つ、いずれも北海道の北東部に位置する網走(あばしり)市、紋別(もんべつ)市、そして世界遺産登録されていることでも有名な知床(しれとこ)です。私は以前、紋別でこの流氷を見て、一面の白い海と青い空のコントラストに大変感動しました。(↑星印の左から、紋別市、網走市、知床です。)ところで、この流氷が一体どのようにして生まれるのか、ご存知でしょうか?私は流氷が生まれる仕組みを知るまでは、単純に海水が寒さで凍って、いつのまにか現れるものだと思っていました。皆様はいかがですか?そもそも、海は冬でも簡単には凍りません。これは単純に水温が高いから、というわけではなく、海水の塩分の濃さによるものなのです。通常、真水は0℃で凍り始めますが、海水はとても塩分濃度が高いので0℃よりもっと低い温度にならなければ凍りません。では、どうして流氷は生まれるのか。その秘密は、海に流れ込む「川の水」にあります。ご存知の通り、川は淡水です。塩分濃度の低い川の水が海に流れ込むと、その部分の塩分濃度が薄まります。これによって比較的高い温度(といっても0℃以下ですが)でも、海が凍り始めます。これが流氷のできる仕組みです。さらにいうと、北海道の流氷は、実は北海道で生まれたものではありません。なんと、はるか遠くロシアのアムール川でできた流氷が、風と海流に乗って流れてきているのです。地形や風、海流といった自然条件がうまくかみ合うことで出現する、大自然からの贈り物なんですね。さて、流氷が届けてくれるのは、美しい光景だけではありません。流氷ができる過程で、氷の下には海の底から栄養が引き上げられ、プランクトンが繁殖します。このプランクトンをエサに、北海道グルメの代名詞「毛ガニ」が栄養をたっぷりと蓄えます。紋別で水揚げされる毛ガニは、冷たい海水で引き締まった身やカニミソの味の濃さから “毛ガニの極み”と呼ばれており、漁師の舌さえもうならせるほどの味わいです。かつて北海道の特産品を全国のお客様へお届けする事業を行っていた時、私もこの毛ガニを食べて、商品として取り扱うことを即決したほどの本当におすすめしたい逸品です。近くにお立ち寄りの際は、ぜひこちらの大自然からの贈り物も堪能してみてくださいね。厳しい北海道の冬がもたらす自然の恵みは、いつも壮大。そして感動が詰まっています。そんな北海道に負けないくらいの感動をお届けするブランドを目指して、2017年も努めてまいりたいと思います。本年度も、北の快適工房をよろしくお願いいたします。したっけ(北海道では「それじゃあ」のことを「したっけ」といいます。)、来月もお手紙を書かせていただきますね。北の快適工房代表 木下勝寿