2016年6月 by 北の快適工房 こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿(きのしたかつひさ)です。皆様いかがお過ごしでしょうか?これからの時期の北海道は各地で花の見頃を迎え、観光客が押し寄せるシーズンです。そしてなんといってもあの北海道名物「夕張(ゆうばり)メロン」が出回る季節です。私は夕張メロンが大好きなので毎年季節になると数回食べます。あのオレンジ色のジューシーな果肉にかぶりついて、口いっぱいに広がる甘さを思う存分味わうと「ああ、北海道の短い夏が来たな。」と感じるのです。まさに「夕張メロンを食べなくちゃ夏は来ないし終わらない。」と思っています(笑)。さて、そんな美味しい夕張メロンですが、意外と知られていなかったり、誤解されていることがあるので少し豆知識をご披露します。まず、夕張メロンの「夕張」はもちろん、北海道の「夕張市」から来た名前なのですが、実は「夕張市で作られたメロンのこと」を示しているのではないのです。「夕張市」ではなく「夕張農協」が「夕張メロン」という商標を持っており、・夕張農協が金庫で大切に保管している門外不出の種を使っていること・その種で作られたメロンを夕張農協に納め、 夕張農協職員が行う厳格な審査に通過したものという2つの条件を満たしたものにのみ、夕張農協が「夕張メロン」の名前をつけることを許しているのです。そのため、夕張市で作られたメロンでも、夕張メロンではないものはたくさんあり、逆に「夕張メロン」を名乗っているメロンは門外不出の種で作られ、厳格な審査を通過した一流のメロンなのです。今では北海道内や日本各地でその地域で作られたメロンに地域名をつけて「~~メロン」と名乗っているものが多いですが、夕張メロンはそのようなものとは格が違う本当の一流のメロンなのです。だからいつまでも日本全国で愛され続けているのです。そして、もうひとつ豆知識をお教えいたします。夕張メロンは農産物ですので、収穫されたあとは「卸売市場」に行って「競り(セリ)」にかけられます。(夕張メロンの初競りの価格は、地元で必ずニュースになるんですよ。)競り落とされる値段は需要と供給のバランスで決まるので、休日前の需要の多い時や、天候が悪く収穫量が少なくて供給過小の時は値段が高くなります。逆に平日や天気が良くて収穫量が多い時は比較的安くなります。しかし、実はとてつもなく夕張メロンの競り値が高くなるタイミングがあります。それは、なんと北海道でプロ野球チームの巨人の試合があるときです。「巨人軍となんの関係があるの?」と思われたかもしれませんが、実は、巨人軍は北海道に来ると、夕張メロンを大量に買ってお世話になっている人に贈るという選手が多いのです。他のプロ野球チームの選手も贈る場合があるようですが、巨人の選手は他のチームとは桁違いに多くの夕張メロンを買うようです。なので、巨人軍が北海道で試合をする日は市場の夕張メロンが足りなくなり、値段が上がってしまうのです。ただ、これも毎年のことなので、市場関係者はみんな巨人軍の試合日程を掴んでおり、巨人軍が北海道に来ている時を避けて、前後の安い日に買い付けるということをやっているのです。それにしても夕張メロンの値段を変えてしまうほどの量をプレゼントする巨人の選手たちのサービス精神は見習いたいものです。こんな豆知識を知っていると、今度夕張メロンを食べるときには、より一層味わい深く楽しめるのではないでしょうか。ぜひこの夏、夕張メロンを楽しんでくださいね。したっけ(北海道では「それじゃあ」のことを「したっけ」といいます。)、来月もお手紙を書かせていただきますね。北の快適工房代表 木下勝寿