いつも北の快適工房をご愛顧いただきありがとうございます。
北の快適工房代表の木下勝寿(きのしたかつひさ)です。
 
ついこの間まで綺麗に紅葉していた木々の葉が地面に落ち、北海道の街並みは少しばかり寂しい雰囲気。

そして、平均気温も10 度前後となり、ぐっと冷え込むので、少しばかり眠気があっても、工房に向かう朝の道で一気に目が覚めるのです。

気象庁の区分では、この時期は秋に分類されるようですが、北海道民の感覚では冬の始まりです。
コートやマフラー、手袋が必需品となり、冬の装いになります。
 
そして、冬の装いになるのは人間だけではありません。

これからくる本格的な積雪に備えて、家の庭にある木や、街路樹などは「雪囲い」という冬支度をします。

これは、木に雪が降り積もった時に、雪の重さで木の枝が折れないようにするためのもので、木の周りに竹で支えをつくり、雪の重りを分散させるのです。

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工房へ向かう朝の道の途中でも、雪囲いを見かけることが多くなるこの時期。

 つい先日、ご近所で雪囲いをやっている方と話をする機会がありました。 
 
完成後の雪囲いは見たことがあったのですが、雪囲いをつくりあげているのを間近で見たことがなかったので、
「なんだか難しそうですね~。」と私が言うと、その方はこう話をしてくれました。
 
「雪囲いは、竹の組み立てが結構大変だけれども、これは腕の見せどころだね(笑)。木によって組み方を変えるんだわ。

背の低い木は、上からの積雪で木がつぶれないように、木の上に屋根のように竹を組む。

枝が少し広がっているものは、枝を数本ほど縄で結んでから周りに竹を組む。

竹の組み方や、縄の結び方ひとつで、木の負担が変わってくる。

冷たい雪が枝に降り積もって、それが重りになっていると考えると、少しでも負担を軽くしてやりたくて、毎年研究しながらやってるんだわ~。

この仕事が終わると、もうすぐ雪がどんどん降ってくるなって感じるよ。」
と。

 
北海道の雪は水分量が少なく、とてもサラサラしていて軽いのが特徴ですが、日中に気温が上がって雪が溶けたり、雨が降ったりすると、積もっている雪に水分が加わるので、どんどん重たくなるのです。
 
大切に育てている木をこうも優しく温かい気持ちで冬支度をしている方とお話をして、寒さで縮こまっていた身体も心もとても温まったのを、このお手紙を書いている今でも鮮明に覚えています。
 
皆様のお住まいの地域は、もしかするとまだ秋の装いかもしれませんね。
 
ここ北海道は、ついこの前まで少し肌寒い程度の気温でしたが、一気に厳しい寒さになりました。
これから本格的な冬をむかえます。
 


 
したっけ(北海道では、「それじゃあ」のことを「したっけ」と言います。)
来月もお手紙を書かせていただきますね。


 
北の快適工房代表 木下勝寿