2014年9月 by 北の快適工房 こんにちは、北の快適工房代表の木下勝寿です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。ここ北海道は、ひんやりとした秋風が吹き始め、季節が秋へと変わり始めています。 北海道は四季折々の顔を見せますが、秋はなんといっても食の季節。食欲の秋が到来です。この時期、北海道中では様々な「食のお祭り」が開催されます。 食のお祭りの醍醐味は、「採れたて・獲れたての食材を、その地元へ行って美味しくいただく」こと。 その地元の方と触れ合い、その土地の空気を感じながら美味しいものを食べるのは一番の贅沢だと思っています。 「北海道中のお祭りに行って、全ての食材を食べつくしたい…。」毎年この時期になると、北海道民はその気持ちを抱えます。(皆様もそう思っていただけましたか?)しかし、実は北海道を海沿いに一周すると約2,000 キロメートル。 これは、青森県と沖縄県を直線で結んだ時と同じくらいの距離なんです。(北海道外の友人にそのことを言うと、北海道の大きさに皆驚きます。笑)つまり、全ての土地に行って、豊かな食材を味わうことはなかなかできないのです。そのため、「食欲の秋」を思いっきり楽しみたい私たちは、あることをします。それは、とんがりテントを目印に、秋の北海道一周空想旅行。(夜のライトアップされたとんがりテントは、少し肌寒い秋の夜とマッチしていて素敵ですよ。)空想旅行の出発地は、北海道札幌市の中心部にある全長1,500 メートルの大通公園(おおどおりこうえん)です。(以前のおたよりで、夏にはビアガーデンを開催していると紹介した場所です。)この大通公園では、秋になるとオータムフェストという「北海道の秋を祝うお祭り」が3 週間だけ開催され、北海道中の豊かな食材と北海道で醸造したビール、ワインを楽しむことができます。 特に「札幌大通ふるさと市場」という会場では、3 週間という開催期間の内、1 週間毎に出店市町村を入れ替えており、毎週違った北海道中の食を堪能することができます。また、その店舗の出店者はその地方に住む地元の方。そのため、私は必ず店舗の方には「メニューの中の一番のオススメ」を聞いています。(やはり地元の方のオススメが一番です。) 昨年行った時は、こんな出会いがありました。北海道の東の海沿いに位置する厚岸町(あっけしちょう)という地域の牡蠣を売っていた漁師さんに「厚岸町の牡蠣は美味しいって言うけど、何で美味しいんですか?」と聞くと、その漁師さんは「厚岸の海はね、水温が低い分、牡蠣の成長が遅いんだわ。でもその分、じっくり時間をかけて育つからね、もう旨味が凝縮されていて、なまらうまいんだよ~。」と。その話を聞いてよだれが出そうになった私は、早速注文!食べた牡蠣の美味しかったこと美味しかったこと。喜んでいる私を見て漁師さんはこう言ってくれました。「もし今回、厚岸町の牡蠣を気に入ってくれたら、来年は厚岸町の地元の祭りにおいで。今度は海から獲れたての牡蠣をその場で焼いてたんまり食べさせてやる。」と。その漁師さんが紡ぐ一つひとつの言葉は、地元の食材に対する愛情とお客様への愛情そのものを表しているようでした。こうして、地元の方の顔を見ながら食べる牡蠣は、想像以上に美味しかったです。 その時、私の頭の中では皆様のお顔が浮かんでいました。私たちと皆様の唯一のつながる方法は、現時点ではお電話とメールだけ。お顔が見えないコミュニケーションでも、心と心は通じ合えると私たちは信じていますが、いつかはこの時期の北海道へ全国の皆様をお招きして、北海道の食材・お酒と共に今度はお顔を見ながら色々なお話ができたらいいなと、考えています。 したっけ(北海道では、「それじゃあ」のことを「したっけ」と言います。)、来月もお手紙を書かせていただきますね。北の快適工房代表 木下勝寿